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退化器官は役に立っているか

盲腸切ったら大変ですか?

 

 南山宏『地球史を覆す「真・創世記」』(学研)に「退化器官は進化の証拠にはならない」と題する以下の文章がありました。

 俗に盲腸と呼ばれる虫垂突起も、以前は退化器官扱いされたものだが、今ではリンパ細胞が大半を占めていてリンパ腺と同じ働きをすることがわかっている。

 リンパ腺と同じ働きをしているにもかかわらず切除してしまう人は多いですが、その後何らかの支障を来たしたという話は聞いたことがありません。つまりなくても構わない器官ということになります。

 退化器官に対するクリエーショニストの考え方をよく表していて興味深いのは、ヒトの男性にもある乳首だ。進化論では、胎児の成長は両性の特徴に対して中立的な状態で始まるからだと推測されるが、創造論では、男女を創造した設計者(神)が唯一であることを、同一構造を示すことで知らせるメッセージだと解釈される。

 反証不可能な主張ですね。後知恵ならどうにでも解釈できます。有神論的進化論者なら「進化したことを、同一構造で示すことで知らせるメッセージ」と解釈するでしょう。

 一部の進化論者は、真っ暗闇の洞窟に棲み続けるコオロギなどの動物が盲目になる視覚の退化を、進化の明白な証拠とする。今日では有害な突然変異と近親交配の結果と認められているが、はたしてそれが進化を証明するだろうか。

 ここで退化について考えてみましょう。コオロギは暗闇であろうとなかろうと目に支障を来たす突然変異を起こします。明るい場所ならば生存に不利なので子孫を残せません。では真っ暗闇だとどうなるでしょうか。生存に不利になるとは限りません。暗いのですから目は不要ですので有利でも不利でもありません。
 ところがそれだけではありません。目は使わなくても維持するだけでエネルギーを消費します。より多くに餌を必要とするためそれだけ効率が悪いのです。つまり視覚の退化は有害ではなく逆に有益な突然変異なんですね。だからこそより多くの子孫を残せたのでしょう。
 近親交配とは何でしょうか。あまり関係ない気がします。ひょっとして個体数が少ないから結果的にそうなったのかもしれません。

追記
 この後南山氏は“先祖帰り(祖先の形質が突然出現する帰先遺伝、リンカーンやベートーベンなどの容貌魁偉さがそうではないかと説明された)”や“有尾人(新生児の臀部付近の皮膚に一見したところ尾に似た細長い紐状組織を生やしている)”が進化の証拠とされていたことを挙げているが、とうの昔に否定されたどうでもいい俗説を持ち出していることから、ひょっとしてネタでやってるんじゃないかと勘ぐりたくなってしまう。しかし創造論者の中にはこの本を引用する人もいる。クリスチャンが書いたらともかく南山氏はノンクリスチャンである。「ノンクリスチャンでさえ進化論は怪しいと思っているのだ」ということになり影響はかなり大きいとみていいだろう。
 だとするといくらオカルトライターとはいえあまりにひどすぎやしませんか?南山宏先生。

NATROMさんによる補足説明

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